「動機リスト」で参加者目線でイベントを考える

Last update: 2026,8,3

まちづくり人材育成 事業構築

主催者の目的と、参加者の動機は異なる

イベントを企画する際、多くの場合、主催者には最初から「やりたいこと」や「達成したい目的」があります。

例えば、
・地域の魅力を知ってほしい。
・防災について学んでほしい。
・高齢者の健康を促進したい。
・商店街を活性化したい。
・地域住民の交流を増やしたい。
などです。

これらは、イベントを実施するうえで非常に重要です。
しかし、主催者が実現したい目的と、参加者がイベントに参加したいと思う理由は、必ずしも同じではありません。

主催者が「防災について学んでほしい」と考えていても、参加者が「防災を学びたい」と思っているとは限りません。
主催者が「地域の歴史を知ってほしい」と考えていても、参加者が「地域の歴史を学ぶために休日を使いたい」と思うとは限りません。
イベントを成立させるには、主催者の目的だけでなく、参加者側に「参加したいと思う動機」が必要です。

人は、内容があるだけでは参加しない

イベントに必要なコンテンツがそろっていても、それだけで人が参加するわけではありません。
講師がいる。
会場がある。
体験ブースがある。
出店者がいる。
チラシも完成している。
それでも、参加者から見て「なぜ行きたいのか」が弱ければ、参加にはつながりません。
イベントへの参加は、次の関係で考えることができます。

参加動機が参加ハードルを上回ったとき、人は参加する。

参加ハードルには、料金、距離、移動時間、アクセス、開催日時、申込の手間、一人で参加する不安などがあります。
近所で開催される無料イベントであれば、「少し楽しそう」という程度でも参加する可能性があります。

一方で、参加費が高く、会場まで遠く、事前申込も必要なイベントでは、「少し楽しそう」だけでは参加につながりません。
ハードルが高いほど、それを上回る強い参加動機が必要です。

参加動機には、さまざまな種類がある

参加動機は、悩みの解決や学びだけではありません。
マルシェや祭りなどでは、「楽しそう」「面白そう」という感覚だけで参加する人もいます。

友人や家族に誘われたことが、参加の決め手になる場合もあります。
参加者がイベントに感じる動機には、例えば次のようなものがあります。

動機リスト↓
・楽しそう、面白そう
・新しい発見や珍しい体験ができそう
・悩みや課題を解決できそう
・知識や技術を得られそう
・自分が成長できそう
・お得、便利、利益がありそう
・欲しいものや機会を得られそう
・人に会える、交流できそう
・仲間や居場所が見つかりそう
・応援したい、共感できる
・地域や社会の役に立てそう
・子どもや家族のためになりそう
・家族や友人との思い出をつくれそう
・自分を表現できそう
・新しいことに挑戦できそう
・達成感や評価を得られそう
・地域や文化とのつながりを感じられそう
・自分も企画や活動に関われそう
・ここでしかできない体験ができそう
など

すべてのイベントに、これらの動機を入れる必要はありません。
重要なのは、現在考えているコンテンツに、参加者側から見た参加動機があり、それらを理解するということです。

参加動機の一覧は、企画を再考するために使う

参加動機の一覧は、イベントを分類するためのものではありません。
また、「このイベントは学習型」「このイベントは交流型」と一つに決めることが目的でもありません。

一覧を見ることで、

・現在の企画には、どのような参加動機があるのか。
・参加者にとって、最も強い参加理由は何か。
・主催者の目的だけで、参加者の動機が不足していないか。
・別の参加動機をコンテンツに加えられないか。
・現在の内容を、より参加したくなる体験に変えられないか。

を考えます。

企画者は、自分たちが提供したい内容については詳しく考えています。
一方で、参加者が何を理由に休日の時間を使い、料金を支払い、会場まで移動するのかについては、十分に考えられていないことがあります。
参加動機の一覧は、企画者側の視点から参加者側の視点へ切り替えるための確認項目です。

参加動機は、コンテンツそのものでつくる

参加動機は、広報の言葉だけでつくるものではありません。
実際のコンテンツに魅力がなければ、チラシやSNSで魅力的に表現しても限界があります。

例えば、通常の防災講座を「楽しい親子向けイベント」と表現するだけでは、参加動機は大きく変わりません。

しかし、防災講座を、

・親子で挑戦する防災ミッション
・消防車や防災設備の体験
・非常食の食べ比べ
・家族でつくる防災バッグ
・制限時間内に避難方法を考えるゲーム

などに変えれば、コンテンツそのものに「楽しそう」「子どものためになりそう」「珍しい体験ができそう」という動機が生まれます。

広報は、決まったコンテンツを伝えるものです。
参加動機を強くするには、まずコンテンツそのものを見直す必要があります。
もちろん、広報次第でそのコンテンツの伝わり方は大きく変わりますので、広報は非常に大事です。


この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
伴走支援では、プレイヤーの事業を通してノウハウを活用し支援・育成を行っております。